2007年10月10日水曜日

【報告】第2回建築夜話 「アルゼンチン国境のラプラタ川架橋構想に取り組む」 講師:田中淳之氏(JICAシニアボランティア)











報告:事業委員 山際洋子

 第 2 夜は 9 月 21 日 19 時より私学会館において、田中淳之氏を講師に迎え、「アルゼンチン国境のラプラタ川架橋構想(川幅 42km)に取組む ― 世界最大プロジェクト ―」と題して話をしていただきました。
 職歴のように、東京湾アクアラインや本州四国連絡橋の調査、設計、建設に携わられ、退職後、アルゼンチンに渡り、ラプラタ川架橋構想のアドバイザーとしてシニ アボランティア活動をされた同氏のお話は穏やかな語り□の中にもエネルギーを感じるものでした。

 ブラジルとチリを結ぶ高速幹線におけるアルゼンチン通過部分の交通渋滞解消のために、川幅42km に橋を架けようというのですからスケールの大きさは計り知れません。
 N 値 5 程度の厚い粘土層の下が N 値 40 以上の砂層という川底の地層、海上だからこそ使える巨大クレーン等、プロジェクターを使っての説明は判りやすく、思わず身を乗り出して聞き入って
しまいました。

“地球を人々にとって豊かなものにするためにデザインすることこそ、土木の使命"

 以前こんなコピーがあったのを思い出しました。

“Civil engineer is the designer of the earth"

 アルゼンチン経済の逼迫により、工事への着工はまだだそうですが、このプロジェクトにより南米の経済活動が活発になることは確実です。
 地球は大きいと今更ながらに感じたのは、私だけではないでしょう。
 アルゼンチンがどんな国かとの紹介もしていただき、歴史的にも日本に縁の深い国であることをはじめて知りました。たくさんの写真を見せていただき、旅行気分にも浸れ、大いに満足!!ぜひ
一度この国を訪れてみたいものです。

 最後に、田中氏は、シニアボランティア応募の為に英語の個人レッスンを受け、特訓をされたそうですが、いくつになっても夢を持ち、たゆまぬ努力をさらりとやってのける姿勢を私も見習いたいと思いました。

当日の模様

報告書(PDF)