2013年5月31日金曜日

2013年5月16日木曜日

【レポート】事業委員会「住まい方研究会」-中国の実情について

※この記事はつどい2013年5月号に掲載されていたものを転載しました

【レポート】事業委員会「住まい方研究会」-中国の実情について

講師:谷力(グリ)
報告者:宮宅勇二(事業委員会)


2月16日(土)私学会館で「住まい方研究会」シリーズとして、北京で生まれ天津で育った谷力さん(女性)に中国の諸事情について講演していただきました。参加者は10名でした。


【日本に来た理由と日本での生活】

 16歳から13年間、中国で射撃のプロ選手で、最高国内3位になったこともあるそうです。射撃は、卓球・体操と並んで世界でも中国の実力は群を抜いています。よほどのアスリートだったと思います。当時、彼女の仕事は当然射撃の練習をすることでしたが、社会主義国家ゆえ、食費や生活費、住まいまで国から与えられる、という状況だったそうです。1994年に広島で世界大会があり、その時に日本に対して好印象を持ったようです。街はきれいし、空気はきれいし、水もおいしく、日本人は親切でやさしい、という感じがしたそうです。13年間プロ生活のあと、たまたま日本留学の機会があり、一言も話せなかった日本語を必死で勉強し、日本語検定1級に合格、その後ビジネスビザを取得し、シャープや三洋電機の社員にも中国語を教える講師にもなったそうです。射撃選手時代の、負けない、という烈しい気性が彼女自身を伸ばしたのでしょう。その後、大学・大学院にも通い、日本人と結婚し、現在は大阪経済大学大学院の非常勤講師をしておられます。

【中国の人口】

 中国の人口は2011年に13億4100万人でしたが、実際は15~16億人いるようです。一人っ子政策の為に戸籍のない子供がいるからですが、一人っ子政策は漢民族にだけ適用されている法律で、55ある少数民族には適用されていません。

【中国の住宅事情】

 中国では、多くの高層ビルが建設されており、世界の建築家が集まる上海では4000~5000の高層ビルがあると言われています。これはニューヨークの2倍以上の数です。建築ラッシュは沿岸大都市から内陸部に移ってきています。ただし、建築のレベルは低く、耐久性に問題
があります。
 中国では住宅はマンションが一般的ですが、マンションを購入した場合、引渡しは躯体のままの状態で、購買者自身が内装工事、設備工事をしなければならないようです。
 社会主義国家なので、土地は個人のものではなく国のもので、住宅の場合は70年、工場地は50年、商業地は40年で国に返さなくてはならないようですが、こういうことは政治をやっている特権階級の共産党が決めるので、どのように変わるのか、変わらないのか不透明だそうです。
 その他、中国の社会問題として、格差の話、その格差の背景として二種類の戸籍の話、就職難という問題や料理や好みのお茶、お風呂等の習慣の話などがありましたが、紙面の都合上割愛させていただきます。
 最後に中国、中国人についての重要知識です。


  • 中国人は食べる、ということが何よりも大事な事です。
  • お茶を入れる急須の口を他人に向けて置いては絶対ダメ。
  • 乾杯の際に相手の杯より高く上げては失礼にあたる。
  • タバコは自分だけでは吸ってはダメで、他人に勧めるのが当たり前。
  • 割り勘の習慣はなし。(日本人が金持ちだから、日本人が払うのが当たり前。)